古町駅近辺に残る松電の遺構

22年3月31日、松山へ行く用事がありましたので、古

町車庫裏に残る松電の乗越橋脚跡の一部と、三津

の町並みの線路跡と思われる道路とを覗いてきました。

松電の開通時、伊予鉄道を古町駅近辺と上一万の

二ヶ所でオーバークロスしていました。古町駅付近

に残る松電の橋脚跡を訪ねてみました。現在では

市街地化され全く松電の線路跡をしのぶよすがは

ありませんし、築堤は伊予鉄道の車庫兼工場が設

置される際に取り除かれたようです。車庫の裏手に

廻りますと小川があり橋が架かっています。その橋

の基礎部分の一部が住宅の敷地の護岸として残っ

ています。本来なら乗り越え用の橋脚ですのでもっ

と高さのあったもののようですが、廃止、民間払い

下げの折に護岸の高さまで削られたようです。はた

して敷地の所有者の方にお話をうかがうことができ

ました。間違いなく松電の橋脚の跡であるとのこと

で、車庫跡である六軒屋の四国電工敷地に向かっ

て伸びる住宅群の敷地となっており遺構を探すのは

断念しました。

(上一万越線橋、伊予鉄道70周年記念誌より)

(六軒屋車庫、現在の四国電工
伊予鉄道70周年記念誌より)

(古町車庫裏手に残る松電乗越橋脚跡)

追補 松電へ行く

三津の松電跡

伊予鉄を利用して松電の始発である三津・江の口近辺を散策

してきました。

路盤は生活道路に転じており、昔のよすがを探すことは困難で

す。推定で路盤跡をたどってみました。

三津の商店街の中に井戸があり、その説明碑の文言に松電

の始発が江の口でありこの近所であったことを示しています。

路盤跡が大きくカーブする向こう側には、明治風に建て直した

伊予鉄道三津駅が見えます。当時、小さい松山の町に並行し

て2社線が走っていたことに政治的意図があったとしても驚き

を隠せません。

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(当時の古町越線橋 伊予鉄道70周年記念誌より)

(三津・江の口の界隈と推定線路跡)