武者泊砲台

海軍佐伯防備隊の施設の一つに高茂崎衛所(聴音所)があり、反対側の城辺側に武者泊砲台があったようです。佐伯防備隊施設図を何気なく見ていたら、小さな砲台の記号2カ所他を見つけました。

H28.9月6日にバイクツーリングを兼ねて行ってみました。武者泊の漁港の集落で尋ねたら、高茂崎への周遊道路の近くにあったようだとのことで、武者泊を俯瞰する周遊道路の突端部にあった民家にお住いの老人の方に尋ねてみました。

突端部の崖下にある砂防ダムの側に、トーチカ状の砲台の跡がある。もう一つの砲台と指令所は山の上にあるが、木々の繁茂で辿り着くのは難しいとのことでした。比較的辿り着きやすい砂防ダム側の砲台を目指すことにしました。

民家の方から教えていただいた、カードレールの切れ目から砂防ダムへの踏み分け路をクネクネ瓦礫をより分けながら降りていき、砂防ダムの堰堤の内側(山側)の地点にコンクリートのむき出し状態で砲台が残っていました。多分、竣工後に土砂を被せて植栽を行い偽装をする予定だったのだと思います(それまでに終戦になってしまった?)。

民家の方の話では、遊びに行って兵隊さんと仲良くなったこと。大砲が備わっていたとのことでした。南宇和歴史民俗文庫の資料によると、備砲は海軍艦艇に装備された12糎高角砲を転用したとのことです。

高茂崎衛所は公園化され完全に原形をとどめていません。遺構のあったであろう場所は平場となっており、木々の隙間から豊後水道が望めます。

(砲台のある砂防ダム堰堤と射界の宿毛湾)

(クリックすると拡大します)

(砲台外観および内部)

(公園になった高茂崎衛所跡と豊後水道)