(炭焼き窯に改築された佐瀬川低堡塁)

佐瀬川低堡塁(私有地、立ち入りには許可が必要です。)

(測量図・角田誠氏提供)

西の庄堡塁は、佐瀬川堡塁へ向かう途中の丘陵部にありました。12糎カノン砲(国産)6門(砲座3)と機関銃4丁が配備されていたとのことです。加太・深山地区の砲台群の背後を防御するためのもので、正面の「二里ヶ浜」や和歌山方面からの攻撃に備えたものであったようです。

昭和58年に、堡塁跡敷地に「和歌山県立和歌山西高等学校」が建設されることになり、完全に消滅することになってしまいました。右図は高校建設における測量図で、砲座などが見て取れます。

H25年末の段階で、和歌山西高から和歌山北高西校舎と和歌山県立さくら支援学校に改編されていました。

(西の庄堡塁跡に建つ高校)

佐瀬川低堡塁は、西の庄堡塁から北北東約700mの山頂部に築城され、9糎カノン砲(国産)2門一組の三砲座で構成されていました。

現在は、堡塁施設を利用した炭焼き窯が設けられ、私有地となっていますので、許可を得る必要があります。ご注意ください。

砲座間の掩蔽部も資材置き場等として利用されていますが、原型を留めている箇所が多くあります。
堡塁背墻も残っており、堡塁入口の役割を果たしていました。

トッポ作が訪れたときは、砲座を改築した業者は不在でしたので、左翼砲座奥の別の炭焼き業者に許可を得て撮影しております。また、佐瀬川高堡塁一帯は私有地であるが、堡塁探索であるなら(私有地の私物を破損しない等)敷地に入り、所有者に声を掛けたらOKが出るから行ってみては、とアドバイスもいただきました。

(西の庄堡塁及び兵站部配置図・角田誠氏作図)

西の庄堡塁