アジア歴史資料センターの資料の中から、広島湾要塞各砲台の配置図(予定図?)を見つけました。

その中で、早瀬第一砲台にも地下式の地区砲兵指令所の図を見つけ、H24.5.20に再訪しました。

配置図を頼りに、それらしい場所をさまよったのですが、まったくわかりませんでした。

アプローチを代えて、観測所から続く交通路を逆にだどろうと尾根筋を眺めると、こんもりとした構築物が僅かに垣間見えます。

配置図を見ると何もなく、例示として補助観測所と書いてありました。交通路から登ってみると、石造りの構築物で、大きく2区分に分かれていました。草木の繁茂でよくわかりづらいのですが、測遠機基礎のような円形土台がありました。

海軍の防空施設を研究されているS.K氏にご教示頂い所、戦時中に海軍の
防空聴音所が設置されたようで、その遺構のようです。

防空聴音所の石積みは、砲台観測所周りの石垣を剥がして設置したとのことです。

地区砲兵指令所が記載されている砲台のうち、実際に設営されていたのは、
宮島の鷹巣高砲台と鶴原山砲台の2か所のようです。

それも、予定図とは全く竣工時の姿は違ったものとなっていて、一般の観測所と同じ鉄製掩蓋で覆われていたようです。

地区砲台指令所が実際に設置された場所は、いずれも砲台に備砲がされていた砲台だけであったようです。
(ちなみに、配置図に砲兵指令所が記入されるも、備砲されなかった早瀬、大空山砲台には指令所は造られなかったようです。)

※この遺構は、地区砲兵指令所ではなく、太平洋戦争中の防空聴音所跡でした。H27.02.05

早瀬地區砲兵指令所? (誤記でした)

(配置図をクリックすると拡大します)

(第一・第二兼用観測所)

(海軍防空聴音所遺構)