佐世保要塞・前岳堡塁

砲側庫に向かって左手に進むと、楕円形の胸檣があります。

搦め手から攻め登る敵兵を掃射するための壕と思われます。

石造りで緻密に造られています。ほぼ一世紀を経た構築物で

すがその堅牢さに驚かされます。

浄水槽に戻り内部へと入りますと、地下兵舎群があり、横手の

階段を登ると12糎カノン砲砲座に出ます。1砲座に2門で6門

あったようですが、木々の繁茂が著しく詳細は掴めませんでし

た。このカノン砲は発射と同時に砲全体が反動で後退するタイ

プのようです。

H22年3月21日に家族旅行を兼ねて佐世保に小旅行しました。前回見残した佐世保要塞・前岳堡塁を短時間ですが覗くことが

できました。本当は牽牛崎堡塁砲台の鉄製観測所等が見たかったのですが、閉鎖されて立ち入りできないような話を聞きまし

たので、佐世保市教育委員会の社会教育課に問い合わせてみました。折り返しK・A様より連絡を頂き、残念ながら牽牛崎は閉

鎖されていること、その代わり前岳堡塁は探索可能で、トーチカ形式の機関銃陣地が残っている等の情報を頂き、地形図まで

添付して頂きました、感謝です。

頂いた地形図を基に、カーナビに入力します。スムーズに経路探

索ができたので出発進行。ところが例のGPS電波を意図的に場

所をずらしての表示が頻繁に現れ、分岐点を通り過ぎてから分

岐画像に変わったり、道を外れて畑の中を走っていたりと、何回

か袋小路に入ってのバック。道が狭いのと勾配があるのとで困り

ました。それでも前岳の麓まで到着。転回のできる場所に車を止

め、軍道とおぼしき道を登っていきます。軍道は草木の繁茂で狭

いように感じますが、よく目を凝らして見ると結構幅はあります。

今まで歩いた軍道の中で1番広いように感じました。

つづら折の軍道を登ると浄水装置、向かって左側に砲側庫があ

ります。木々に覆われて判然としませんが砲側庫の側には砲座

跡と思われる部分があり、臼砲が据わっていたのではと推定さ

れます。

堡塁単独としては敷地面積は大きいと思われます。地域の方で

しょうか、木々に新しい目印の赤テープが張られていたり、下草

刈がされていたりして、迷子になることもなく安心して探索するこ

とができました。次ページでは、前岳堡塁の特長ともいえる地下

機関銃陣地へと向かいます。

佐世保要塞群へ行く

(地下兵舎とカノン砲砲座跡)

(軍道跡、浄水槽、砲側庫)

(敵兵掃射用の壕)